京都伝統文化の森協議会のクラウドファンディングへのご支援をお願いいたします

シンとトニーのムーンサルトレター第221信(Shin&Tony)

 

それにしても毎日、暑いですね。
日本中どこに行っても災害級の猛暑です。
Tonyさん、その後、ご体調はいかがでしょうか? くれぐれも無理をされないようにお願いいたします。さて、2023年8月は特別な月で、2回満月があります。それぞれ、スタージョンムーンとブルームーンというのですが、両方ともスーパームーンになります。最初のスタージョンムーンネイティブアメリカンに由来します。五大湖周辺に住む多くの部族にとって、8月は伝統的にスタージョン(チョウザメ)を釣る時期でしたので、8月の満月を「スタージョンムーン」と呼んだそうです。チョウザメは、先史時代から地球上に生息する大型の淡水魚です。現在、世界には約26種のチョウザメがいますが、深刻な乱獲と水質汚染により、すべてが絶滅の危機に瀕しています。「スタージョンムーン」という名前は、自然を大切にすることを思い出させてくれます。


「顕神の夢」展のポスター

 

8月26日、Tonyさんが監修された展覧会「顕神の夢―幻視の表現者― 村山槐多、関根正二から現代まで」が福岡県の久留米市美術館で開催されるというご案内をいただきました。同美術館のHPには、「人知を超えた『何か』の訪れにより得た霊的な体験を、創作のモチベーションとする表現者たちがいます。その『何か』をとらえようと焦がれ、制作に向かう彼らの心情を、本展では仮に『顕神の夢』と名付けてみました。『何か』に憑かれ媒体となって私たちの世界へと繋ぐ行為、『何か』からの干渉を感知し幻視体験を通して得たヴィジョン、また直接感得した神仏のイメージの図像化などから生み出された作品の数々。本展では5 章構成で51名の作品を紹介し、超越的な存在との関わりを基点とする、いわば『霊性の尺度』で見直すことで、その豊かな力の再発見、再認識を試みます」と書かれています。これは非常に興味深いですね。ぜひ、行かせていただきます!


音無美紀子さん、志賀司社長と

 

26日には展覧会のオープニング鼎談をされるそうですね。鼎談といえば、わたしも7月5日に東京の六本木にある「ザ・リッツカールトン東京」で鼎談をしました。お相手は、女優の音無美紀子さん、セレモニーの志賀司社長です。冠婚葬祭の季刊誌「BLOOM」の企画なのですが、文化庁支援・推薦のドキュメンタリー映画「『グリーフケア』の時代に」の完成記念鼎談です。この映画に、わたしは東京大学名誉教授の島薗進先生と共に出演させていただきました。また、この映画のナレーターを務められたのが音無さんで、ゼネラルプロデューサーを務められたのが志賀社長なのです。志賀社長は、これまで多くの映画の製作を手掛けられ、「ハリウッド・レポート」を発行する会社も経営されています。映画ビジネスおよび冠婚葬祭ビジネスにおけるリーダーとして大活躍されています。


映画「『グリーフケア』の時代に」のポスター

 

「『グリーフケア』の時代に」は、12月1日より、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル梅田、アップリンク京都など、全国の主要劇場で公開されます。その後は、全国各地のセレモニーホール上映も計画されています。もちろんグリーフケアについての映画ですが、実際にグリーフを抱えておられる方も、そうでないと思っている方も関係なく、すべての方々に見ていただきたいと思います。音無美紀子さんの美しい声で導かれるドキュメンタリー映画の公開が今から楽しみです。この映画を一番観てほしいのは、ロシアのプーチン大統領です。愛する人を亡くす悲しみの深さを知れば、戦争など続ける気にならないでしょう。そう、グリーフケアの考えが世界中に広まれば戦争がなくなるのではないかと本気で思います。


愛する人を亡くした人へ』(現代書林)

 

鼎談の最初に「この映画にどのように携わられましたか?」という質問があり、わたしは「2007年7月に上梓しました『愛する人を亡くした人へ』(現代書林)を原案として映画を作りたいという連絡をいただいたことがきっかけです。また、弊社はグリーフケアに早くより取り組んでおり、平成22年(2010年)には愛する方を亡くされたご遺族の会「月あかりの会」を立ち上げ、サポートを続けています。そこで学んだグリーフケアの知識などを少しでも役に立てていきたいという思いから、今回の作品に関わらせていただいています。『愛する人を亡くした人へ』を原案とした映画は「君の忘れ方」のタイトルで、9月からクランクインします。新海誠監督の大ヒットアニメ「君の名は。」と同じ飛騨の古川町が舞台で、同作品のタイトルも踏襲しています。恥ずかしながら、わたしもチョイ役で出演させていただく予定になっています。


音無美紀子さんと

 

また、「なぜこの映画に出演されようと思ったのですか?」という質問がありました。わたしは、「今では『グリーフケア』という言葉をさまざまなメディアや場所で目にしているのではないかと思います。しかし、この『グリーフケア』が一体どういうものなのかを広く知っていただきたいという思いから、この映画に賛同し出演することとなりました。この映画を見た方が『グリーフケア』について知っていただき、また人と人との繋がりの大切さを感じていただくことで、これからの社会が良くなるきっかけとなって欲しいという想いもあります」と答えました。さらに、「現在では人と人との縁の希薄化や病院で亡くなる方がほとんどであるという背景もあり、身内であってもなかなか死の瞬間に立ち会うことが少なく、また、死について語り考える機会が少なくなっていると感じます。そのため、生きている間にも『死』について真摯に考える機会が提供できないかと考えています。『死生観カフェ』という名前で、死に関するワークショップを行い、死について語り考える機会を作りたいと考えています」とも述べました。これはTonyさんの受け売りであります。

 

ドキュメンタリー映画「『グリーフケア』の時代に」およびドラマ映画「君の忘れ方」は、全国の冠婚葬祭互助会をはじめとした葬儀業界が応援してくれることになっており、映画館以外にも各地のセレモニーホールでの上映会なども計画されています。葬儀業界が応援した映画といえば、日本映画では初めてアカデミー外国語映画賞を受賞した「おくりびと」が思い浮かびます。「おくりびと」が公開されたことは葬儀業界においても非常に大きな出来事でした。映画の中での美しい所作と儀式は、お客様が望まれることを映画というメディアで表現してくれました。ご遺族が大切にしている方をこうもやさしく大事に扱ってくれるということはグリーフケアの上でも大切なことでした。「おくりびと」のおかげで葬祭スタッフに対する社会的地位も変わったのではないかと感じるところもあります。何よりも、自分の仕事へのプライドを彼らに与えてくれました。


青木新門氏のお墓参りをしました

 

映画「おくりびと」の原案は青木新門氏の『納棺夫日記』(文春文庫)です。青木氏は昭和12年、富山県下新川郡入善町のお生まれで、ながらく「納棺師」として葬儀の現場でご尽力しておられました。その尊いご体験が『納棺夫日記』には綴られているがゆえに、読み手の心を強く揺さぶる作品となっています。同氏は2022年8月6日午前8時52分、肺がんで亡くなられました。同年10月17日、JR富山駅前にあるオークスカナルパークホテル富山で開かれた作家の青木さんの「お別れの会」に参列いたしました。そのとき、故人のご長男である青木新太郎さんと名刺交換させていただき、しばし故人の思い出話をしました。そして、今年の7月12日、再び富山を訪れたわたしは、新太郎さんのご案内で、故人のお墓参りをさせていただきました。


故人のご長男・青木新太郎さんと

 

新太郎さんは柔和で素晴らしい人間性の持ち主です。その穏やかな笑顔に触れると「まるで仏様みたいだな」と思えてきます。その新太郎さんが言われるには、今日の富山は激しい雨が降っていたそうですが、わたしが墓参する直前に嘘のように晴れたそうです。名著『納棺夫日記』をはじめとして、故人訴えられてきた葬儀の意義と重要性は、日本の葬祭業界のみならず、日本人の死生観に広く影響を与えました。故人は、宗教学者の島田裕巳氏の著書『葬式は、要らない』『0葬』に対する反論書を本当は自分でお書きになられたかったと思います。しかし、わたしが先に『葬式は必要!』と『永遠葬』を書いてしまいました。それでも、故人は「良い本を書いてくれました」と喜んで下さいました。まことに、感謝の気持ちに耐えません。その後、島田氏は葬儀不要論の第3弾となる『葬式消滅』を書きました。わたしは、Tonyさんが背中を押してくれたこともあって、あえて三度目の反論をすべく『葬式不滅』を上梓しました。


墓前に拙著を捧げました

 

わたしは、故人に捧げた『葬式不滅』(オリーブの木)と、故人のことを書いた『供養には意味がある』(産経新聞出版)の2冊を改めて墓前に捧げさせていただき、手を合わせました。そして、心の中で故人にいろいろ報告しました。故人が言われた「葬儀は絶対になくなりませんよ」という言葉が、わたしの心の中で何度も繰り返されています。納棺夫としての故人の葬儀への想いや死者への祈り、さらにはご遺族への思いやりは、いま、日本各地で続々と誕生しているグリーフケア士たちにも確実に受け継がれています。さらには、グリーフケアのドキュメンタリー映画「『グリーフケア』の時代に」とドラマ映画「君の忘れ方」が相次いで公開されることも報告しました。両作品のゼネラルプロデューサーを務められたのがセレモニーの志賀司社長は「青木新門先生の供養のためにも、『おくりびと』を超えるグリーフケア映画を作りましょう!」と言って下さいました。


青木新門氏の書庵

 

墓参を終えた後、青木新太郎さんの提案で故人の書庵に案内していただきました。一戸建ての書斎ですが、晩年の新門氏はここに住んでおられたそうです。書庵はご自宅の隣接地に建てられており、「延寿杯」と書かれた看板がかかっていました。表札には「新門」とあります。わたしは、数々の名作を書かれた作家の製作工房を拝見できることに胸が高まりました。中に入ると、茶室のような風情のある造りになっています。小ぶりの日本庭園もありました。室内に足を踏み入れると、手前に囲炉裏が奥に書棚が見えます。囲炉裏は映画「おくりびと」に主演した俳優の本木雅弘さんが座っている写真を見たことがあります。本木さんはまさにこの場所で『納棺夫日記』の映画化を新門さんに直訴したのでした。


故人の書棚の前で正座する

 

故人の書棚には、さまざまな本が並んでいましたが、やはり「死」や「仏教」に関わる本が多かったです。拙著『ハートフル・ソサエティ』『唯葬論』(以上、三五館)、『永遠葬』『死を乗り越える読書ガイド』、『死を乗り越える映画ガイド』(以上、現代書林)、『人生の四季を愛でる』(毎日新聞出版)もありました。しかも、わたしの本にはいずれもたくさんの付箋が貼られ、書き込みもありました。わたしが感動したのは言うまでもありません。


仏間のような空間にも拙著が・・・

 

また、書棚がある部屋の隣には仏間のような小部屋がありました。生前の新門さんは仏壇には否定的だったそうで、「仏壇などなくとも心の中で故人を思い出せばよい」と言われていたと新太郎さんにお聴きしました。その部屋の飾り棚には故人の遺影や著書や思い出の品々などが飾られていましたが、先程墓前に捧げたばかりの2冊の拙著が置かれていました。1冊は故人に捧げた『葬式不滅』(オリーブの木)、もう1冊は故人との思い出を記した『供養には意味がある』(産経新聞出版)。新門さんの遺影の下にその2冊が置かれている姿を見て、また感動しました。


青木新太郎さんと語り合う

 

その後、新太郎さんがお茶のペットボトルを出して下さったので、それを飲みながら語り合いました。わたしは、今日のお墓参りと書斎訪問がどれだけ嬉しかったかを訴えました。また、新門さんの『納棺夫日記』や映画「おくりびと」がいかに葬祭業界で働く人々に勇気と誇りを与えたかを語りました。今度、拙著『愛する人を亡くした人へ』を原案とした映画が製作されるので、ぜひ「おくりびと」のような影響力のある作品になってほしいということもお話しました。


青木新門氏に感謝の祈りを捧げました

 

新太郎さんは、穏やかな笑みを浮かべながら、わたしの話を聴いて下さいました。そして、「そこまで父のことを想っていただき、ありがとうございます」とも言って下さいました。仏像のようなコンパッション・スマイルを浮かべた新太郎に高い人間性を感じました。数多くの名作を残された新門さんですが、もしかしたら最高傑作は青木新太郎その人ではないかとさえ思いました。囲炉裏の上には、「ありがとう」と新門さんが直筆で書かれた大きな看板のようなものが掲げられていました。それを見上げながら、わたしは改めて合掌し、「新門さん、ありがとうございます」と心からの感謝の言葉を述べました。このたびの心に残るお墓参りと書斎訪問を実現して下さった青木新太郎さんにも心より感謝申し上げます。

 

最後に、映画つながりで、現在公開中の話題作について。7月15日に公開されたアニメ映画「君たちはどう生きるか」をシネプレックス小倉で観ました。ポスター画像以外、公開前にはまったく情報がありませんでした。「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」などの宮崎駿が、「風立ちぬ」以来約10年ぶりに監督を務めた作品。タイトルは吉野源三郎の同名の著作に由来し、宮崎監督が原作と脚本を手掛けています。この映画をわたしが観たのは公開から2日後でしたが、ネットでの評価が異常に低くて驚きました。スタジオジブリの情報統制に合わせるように、映画ジャーナリストやブロガー、YouTuberたちも積極的に発信しないので、内容がまったく予想できませんでした。期待と不安な気持ちが入り混じったまま観たわけですが、想像していたほど悪くはありませんでした。ストーリーに「?」な部分は多々ありますが、シンボルの万華鏡というか、イメージのコラージュのようで、絵的にも美しかったです。

 

それと、「君たちはどう生きるか」は、過去のジブリ作品の欠片を集めたジグソーパズル的な作品でした。戦時中の物語なので、全体的には「風立ちぬ」のような雰囲気ですが、宮崎アニメの代表作である「となりのトトロ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「崖の上のポニョ」などを彷彿とさせるシーンもありました。ジブリ・ファンには楽しめたのではないでしょうか。登場するキャラクターも、白雪姫の小人みたいな7人の老婆、「ワラワラ」という居酒屋チェーンみたいな名前の可愛いキャラなど、なかなか味がありました。唯一公開されていたポスター画像に出ている鳥男みたいな奴もいました。ただ、物語にとって重要な役割を果たすアオサギは不愉快でした。なぜなら、わが家の庭の池には、小倉の板櫃川から飛んでくる大きなアオサギが飛んで来て、池の鯉を狙うからです。そのような理由で、わたしはアオサギが大嫌いなのです!

 

ジブリ作品以外では、「君たちはどう生きるか」のストーリー展開はダーク・ファンタジー映画の名作「パンズ・ラビリンス」(2006年)によく似ています。鬼才ギレルモ・デル・トロ監督がメガホンをとり、ファシズムという厳しい現実から逃れるため、架空の世界に入り込む少女を通じて人間性の本質に鋭く切り込んだメキシコ・スペイン・アメリカの合作映画です。1944年のスペイン内戦で父を亡くし、独裁主義の恐ろしい大尉と再婚してしまった母と暮らすオフェリア(イバナ・バケロ)は、この恐ろしい義父から逃れたいと願うばかり自分の中に新しい世界を創り出します。オフェリアが屋敷の近くに不思議な迷宮を見つけ出して足を踏み入れると、迷宮の守護神が現われ彼女に危険な試練を与えるのでした。

 

「パンズ・ラビリンス」のオフェリアは愛する父親を亡くしますが、「君たちはどう生きるか」の主人公・眞人は母親を亡くします。そう、両作品はともにグリーフケアの物語なのです。戦時中という非常時の中でオフェリアの母、眞人は継母が妊娠していること、彼らがうす暗い森の中の秘密の入り口を潜り抜けて異世界へと侵入すること、そこには奇妙な姿をした妖精たちに導かれて迷宮の世界を冒険すること、さらには彼らが異世界の継承者として求められることも共通しています。そして、彼らの異界探訪が一種の通過儀礼であり、現実の世界に戻ったときは成長して大人に近づいている点も同じです。神話にまで遡ることができる「行きて帰りし物語」の典型と言えますが、明らかに宮崎監督は「パンズ・ラビリンス」を意識して「君たちはどう生きるか」を作ったのだと思われます。

 

でも、映画「君たちはどう生きるか」は解釈するのには向いていない作品かもしれません。この映画は、基本的に宮崎監督の夢の欠片を集めたような気がします。ですから、黒澤明の「夢」(1990年)に似ています。黒澤明も宮崎駿も、実写とアニメでジャンルは違えども映画の歴史にその名を残した巨匠です。「七人の侍」に代表される痛快時代活劇が世界的な評価を受けて黒澤監督ですが、晩年はエンターテイメントからアートへの転換を図りました。その象徴的な作品が「夢」です。このような私小説的な映画が作れるというのは、これまでの偉大な功績へのご褒美という側面もあったと思います。その意味で、宮崎駿にとっての「君たちはどう生きるか」は、黒澤明にとっての「夢」なのだと思います。そういえば、宮崎駿はこの映画から「宮﨑駿」と改名しています。つまり「君たちはどう生きるか」は、新しいミヤザキ駿、シン・ミヤザキハヤオの第1作なのかもしれません。Tonyさんは、「君たちはどう生きるか」を8月1日に京都MOVIXで鑑賞されたそうですが、いかがでしたか? 宮崎アニメを語らせたら天下無双のTonyさんの感想を楽しみにしています。それでは、次の満月まで!

2023年8月2日 一条真也拝

 

一条真也ことShinさんへ

昨日は、京都MOVIXで、「君たちはどう生きるか」を観、その後、上智大学大学院実践宗教学研究科の「宗教学」の授業に参加していた大学院生や京都大学大学院修了の友人たちと三条木屋町の高瀬川沿いのイタリアンレストラン「サルヴァトーレ・クオモ」で夕食を共にし、賀茂川の河原に出て、14日月を眺め、月を見ながら一乗寺の家に帰りました。

残念ながら、今日、今、午後9時ですが、東山から中天にところどころ雲がかかっていて、満月は見えません。今、沖縄の台風6号が凄いことになっていて、大変です。本当に世界全体が「狂天慟地」になっているとおもいます。

 

さて、Shinさんも観た宮﨑駿監督の新作の「君たちはどう生きるか」ですが、見終えて、評価が賛否両論、真っ二つに分かれているという報道もよく理解できるような気がしました。わたし自身も評価自体は半々ですので。そのあたりを箇条書きにしてみます。

A:評価できる点

1,これまでの宮﨑駿監督作品では希少な「母の死」をテーマにしたことは評価したい。これまで、「母=母の死」を中心的テーマにしたことはなかったのではないでしょうか?

2,それから、「顕幽出入」という<冥界下り>的神話的・古典的ストーリーテリングも一定評価したいと思います。「千と千尋の神隠し」も「顕幽出入」の<異界もの>ですね。これは、古典的ストーリーテリングで、人類史的に魅力的なテーマとモチーフになっています。

B:評価できない点

3,けれどもですね。しかしながら、です。「大叔父」の設定(その世界観や次元コントロールができるが如き)が「ちっこい!」のは評価できません(世界観がとても小さく、恣意的で、じつにセンチメンタルに思いました。「悪意」があるとか、無いとかも。「悪意」のない世界などという妄想は現実的ではありませんし、妄想としても弱いと思います。むしろ、凄まじい「悪意」の中に堕とされているというグノーシス主義的なテーマの方がリアリティがあります)

4,それから、母と継母の関係は、実の姉妹なのでしょうか? それとも擬装姉妹なのでしょうか? 1回見ただけでは、よく分かりませんでした。加えて、その継母=義母が、突然、森の中に入っていくという設定は、まるきりそのモチベーションが分からず、非常に恣意的に感じた次第です。継母の表裏(表向きの優しさらしきところと裏の本音)の乖離をつなぐ表現がないので、唐突感が否めません。

5,それから、同じ、徳島県出身の著名な人気シンガーソングライターをけなすようで申し訳ないですが、米津玄師さんの歌「地球儀」は心に響きませんでした。届かなかったです。残念ですが。

6,声優も、著名俳優を並べていますが、「それがどうした???」という感じでした。

7,エンドロールは地味で、歌とともに余韻に欠けました。

8,そして、エンディングが、敗戦後2年目で東京に戻るというのも、取ってつけた落ちにもならぬ落ちのようで、少年がこの「顕幽出入体験」を経てどう変わったのか、イニシエーション的な昇華が明確には感じられませんでした。「風の谷のナウシカ」にも、「となりのトトロ」にも、「もののけ姫」にも、「千と千尋の神隠し」にも、イニシエーション的な浄化力がありました。しかし、本作には明確にそれは感じません。むしろ、そのような安易なイニシエーションなどは成立しないのだ、自分で自分の道を切り拓くのだ、というのは、それはそれで納得しますし、むしろ、それこそがイニシエーション的な真髄だと思いますが、その辺、カタルシスが弱いのが一般受けしない理由ではないかとも思いました。

9,それから、14歳の少年を主人公にしていることはとてもいいのですが(アスベル少年、アシタカ少年の延長線で)、変コツの大叔父さんとの関係や、過保護の父親との関係や、母や継母との関係性の中で、クリアーな成長が感じられません。むしろ、マザコン少年が、マザコンカオスに巻き込まれて、格闘と混乱の末に、大叔父の「悪意のない世界」の創造を託されるという設定に、リアリティも切実感も感じられませんでした。

 

これらは、辛辣な意見になるでしょうか? でも、正直、そんな感想でした。もう1回見ると、もう少し、全体を俯瞰して見ることができるかもしれませんが、2回めを観てみたいという気持ちにはなっていません。

 

ところで、7月は「ガン遊詩人・神道ソングライター」にとっては、猛暑の中の怒涛の猛烈の日々でした。まず、「ガン遊詩人・神道ソングライター」として、絶体絶命バンド(5人編成)で、7月8日大阪中津のライブハウス「Vi-code」、9日京都下立売の老舗ライブハウス「拾得」でライブをしました。

大阪の方は、75席がすべてソールドアウトでしたが、立ち見を含め80名の入場者となりました。大阪では、高木慶子先生を始め、上智大学グリーフケア研究所大阪の修了生のみなさんが大勢駆けつけてくれました。ありがとう! うれしかった~!

京都の方は、70人の入場者で、いくつかハプニングが発生しました(ギタリストの弦が切れて、もっとも大切な「フンドシ族ロック+世界フンドシ黙示録」がガンガンにパンクするリードギターなしで進行するとか、いろいろ)。が、京都大学、京都芸術大学、同志社大学、南山大学などの知友が大勢駆けつけてくれました。沖縄や長野や東京からも来てくれました。たいへんありがたいことです。以下、演奏動画です。ご笑覧ください。

動画リンク:

ファイル名:絶体絶命・遺言ライブ 2023年7月8日 大阪・中津@Vi-code

動画リンク:

ファイル名:絶体絶命・遺言@京都・拾得 2023年7月9日

京都「拾得」でのライブでは、5曲目の「フンドシ族ロック+世界フンドシ黙示録」の前の3曲目「南十字星」で、リードギターのKOWさんのギターの弦が切れて、その張替え中も演奏し続け、結局ほとんどリードギターのパンクフレーズなしのベースとキーボードとドラムスだけで「フンドシ族ロック・・・」を歌うというハプニングがあり、歌詞も間違いだらけとなりました。お粗末!

が、ライブ中のMCでも触れたように、1973年にスタートしたライブハウス「拾得」は、京都や関西のロッカーたちにとっては、聖地霊場と言える拠点であったと思います。わたしもこれまで拾得で2回客演していますが、本演は初めてで、おもろかったです。大阪のVi-codeよりもステージが広く照明も凝っていないので、酒蔵を改造した素朴な木づくりが、どこか森の中に入ったような、あるいは洞窟の中で迷走しているような、そんなメディテーション的空間だと感じました。バンドメンバーも全員始めだったので、その感想も面白かったです。

 

「この空間がいろんな音を吸ってきたことを強く感じる」と言ったベースの満島栄二郎さんのことばは、なかなか味がありました。そこでは、かつて、物狂いの「村八分」や「外道」などの狂乱パフォーマンスが熱烈に繰り広げられましたが、われら「絶体絶命バンド」もそんな物狂いバンドの一つでありたいですね。

 

それから、今年も、大重潤一郎監督の命日(7月22日)に、「大重祭り」を開催しました。昨年に引き続き、沖縄県南城市の久高島交流館を借りて、映画上映と意見交換会を行いました。現地での開催とオンラインで(Zoom)のハイブリッド方式で。

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「大重祭り2023」

12時50分 zoom及び会場オープン

13時00分~13時15分 法螺貝奉奏  

開催あいさつ 比嘉真人・高橋慈正・鎌田東二

13時15分~14時20分   デビュー作『黒神』(1970年制作・64分)上映

14時20分~14時40分 意見交換・約20分   市東宏志さん・宮内勝典さん・島薗進さん・木村はるみさん   司会進行:神田亜紀・高橋慈正         

休憩10分

14時50分~15時50分 『原郷ニライカナイへ~比嘉康雄の魂』(2001年制作・60分)上映 15時50分~16時30分 意見交換   内間豊さん・宮内勝典さん・宮内喜美子さん・小田博志さん・西谷和代さん、小嶋さちほさん・今村達也さん他   司会進行:鎌田東二・比嘉真人

16時40分~17時20分 『峠のむこうに春がある』(初公開・1972制作・36分)上映 17時20分~17時50分   意見交換 石毛教子さん・井上喜行さん 

閉会の挨拶 高橋慈正・比嘉真人(司会進行:鎌田東二)

17時50分~18時 ファイナル上映『久高オデッセイ三部作総集予告編』(10分、比嘉真人編集)

終了

主催:大重祭り実行委員会(鎌田東二・高橋慈正・大重生・比嘉真人・神田亜紀・古橋結・大野邦久)

 

来年も、7月22日に、久高島でお会いしましょう!

ともかく、沖縄では本当に有意義な時を共に過ごすことができて大変幸いでした。

心より感謝申し上げます。その折の「大重祭り2023」の動画です。お時間のある時にご笑覧ください。

1,ポケットカメラ版
動画リンク:

ファイル名:大重祭り2023 2023年7月22日
2,Zoomレコーディング版
動画リンク:
ファイル名:沖縄夏の旅第4日目 久高島~南城市 2023年7月24日

ファイル名:大重祭り2023 2023年7月22日

3,動画リンク:

ファイル名:ガン遊詩人 沖縄夏の旅 第1日 2023年7月21日

4,動画リンク:

 

5,動画リンク:

ファイル名:ガン遊詩人 沖縄夏の旅最終日(第5日)2023年7月25日

 

 

それから、今週末、「第91回身心変容技法研究会」を、8月5日(土)13時‐17時に開催します。ゲストスピーカーの鈴木寅二啓之さんは、2008年に、猿田彦神社の表現助成で、1年がかかりで神社の境内に素晴らしくも見事な「猿田彦土中神社」を創建したアーティストです。今後、京都で、鈴木寅二啓之さんや大野邦久さんやその他の共鳴してくれるアーティストの方々と、「京都アート自然塾」を展開していく予定です。もちろん、東山修験道や、京都伝統文化の森推進協議会の16年に及ぶ東山山系の林相改善の植林など社会活動も深く関わってきます。地道で、息の長い、未来につながる「アート・ネイチャー」を京都という磁場に立ち上げ、展開していきたいと思います。

この3月に九州・大分県の湯布院在住者から京都市民になった鈴木寅二啓之さんは、大阪の羽衣国際大学で「顔の美術」の非常勤講師をしながらアトリエ「美術学舎」でアートワークを続けています。

https://jfdb.jp/title/2040:『猿田彦土中神社 鈴木寅二啓之 天地の軌跡』日本映画データベース

「土中絵画」とは、描いた絵画を一定期間土中に埋めて土中微生物との協同によって完成する美術表現です。その「土中絵画」の代表作品が、伊勢猿田彦神社の境内に奉納した「猿田彦土中神社」です。上記URLの映像は、2008年10月に奉納した土中神社(約1年後に解体)および2009年にそのドキュメンタリー映画を劇場公開したものです。「土中絵画」に関しては、下記を参照ください。
◆土中絵画に関して (pdf 7MB)
◆土中絵画 (pdf 74KB)
https://www.youtube.com/watch?v=SEWD31RFePQ

美術学舎:https://bijyutsugakusha.wixsite.com/torajihiroyuki

第91回身心変容技法研究会
テーマ:「絵画・美術における身心変容と自然変容」
Zoom開催
日時:2023年8月5日(土)13時~17時
13時 開会あいさつ・趣旨説明・発表者紹介 鎌田東二(司会進行、10分)
13時10分~14時50分 鈴木寅二啓之(羽衣国際大学非常勤・画家)「美術における身心変容と自然変容~「土中神社」に焦点を当てて」発表100分
14時50分~15時 (10分休憩)
15時~17時 (130分)
コメンテイター:近藤高弘(15分、陶芸家・現代美術家、モノ学・感覚価値研究会アート分科会代表世話人)
コメンテイター:松生歩(15分、京都芸術大学教授・日本画家)
コメンテイター:秋丸知貴(15分、美術評論家連盟会員・滋賀医科大学非常勤講師)
討議・意見交換 (85分)
司会進行・総括:鎌田東二

そして、その翌日の8月6日(日)14時~16時30分には「宗教を考える学校」第二弾の2回目の鶴岡真弓さんの発題で、「神は万物に宿る ユーロ=アジアの祈りのデザイン」を行ないます。

【宗教を考える学校 第2弾】

オウム真理教事件が起きた翌年の1996年、1年間にわたって月1回「宗教を考える学校」を開きました。その時の発題者は順番に、鎌田東二、柿坂神酒之祐(天河大辨財天社宮司)、島薗進(東京大学教授)、斎藤文一(新潟大学名誉教授)、荒木美智雄(筑波大学教授)、玉城康四郎(東京大学名誉教授)、深澤英隆(一橋大学助教授)、戸田日晨(日蓮宗大荒行堂遠壽院傳師・住職)、津村喬(関西気功協会代表)、梅原伸太郎(本山人間科学大学院講師・日本霊学研究センター所長)、中村桂子(生命誌研究館前館長・早稲田大学教授)、横尾龍彦(画家)の12人です。所属や肩書は当時のものですが、その内の半分の6人が故人となりました。

それから27年、ウクライナ戦争と東方キリスト教会や旧統一教会問題が大きな話題となった翌年の本年から3年がかりでもう一度「宗教を考える学校」を開きたいと思います。1996年の「宗教を考える学校」では、12人の発題者の提示する問題意識を通して、「超宗教への水路」を探る探究を試みました。この時、「宗教を超える」とは、宗教性の根底に降りてゆくことであり、そこで宗教性を支える霊性(スピリチュアリティ)の岩盤に向き合うことが課題として取り組まれました。

それ以後の世界と日本の動向を顧みると、一方で宗教の活性化が社会の分断を深めていく傾向が、他方では宗教離れの傾向がさらに進んでいく傾向が目立つように見えます。ある意味では「宗教を超える」必要がいっそう深まっていったように感じられるのですが、では、わたしたちはどのような意味で宗教を超えようとしたり、宗教を超えていく動向に抗ったりしようとしているのでしょうか。

「宗教を超える」ということでは、宗教への批判をさらに鋭いものにしたり、宗教にかわる霊性(スピリチュアリティ)に期待をかけるような傾向もあります。また、宗教の本来的なあり方を問い直したり、宗教・宗派の枠を超えるインターフェイスの領域への踏み出したりするような動向もあります。このようなさまざまな方向性を視野に入れながら、危機に直面する現代世界にとって、また行方を見失いがちな現代人にとっての宗教の意義を問うていきたいと思います。

今回は、27年前の企画者である鎌田東二と講師の一人であった島薗進がタッグを組んで、新たな講師陣を迎えて、現代の危機と宗教のありようを探っていきます。ぜひこの機会に参画して確認とシェアリングの協働作業に加わっていただきたくお願いする次第です。 2023年4月 鎌田東二・島薗進

◎第2回:「神は万物に宿る ユーロ=アジアの祈りのデザイン」

鶴岡真弓×鎌田東二×島薗進

かつて人類は、地球生命の一員として、「自然への畏れ敬い」を忘れることはなかった。東西1万キロにおよぶ「ユーロ=アジア世界」の広大な文明圏には、ヨーロッパの基層文化「ケルト」から、東のきわみの文明列島である「日本」まで、その篤い「自然崇拝」が、民族の神話や造形美術に深く刻まれている。今回は自然の精霊である「動物」や、「星座」(天体)などの神話や美術をみつめ、「生命循環への祈り」を読み解きます。 (鶴岡真弓 記)

2023年8月6日(日)14:00~16:30

詳細・お申込み:https://peatix.com/event/3625779/view

◎第3回:「身体修練と宗教文化」(仮題)

内田樹×鎌田東二×島薗進

2023年9月16日(土)14:00~16:30

◎第4回:「天河大辨財天社―超宗教の水路とインタフェイス(Interfaith)の砦」(仮題)

柿坂神酒之祐×鎌田東二×島薗進

2023年11月25日(土)14:00~16:30

◎第5回:「スピリチュアルケアと人間力と宗教信仰」(仮題)

高木慶子×鎌田東二×島薗進

2023年12月23日(土)14:00~16:30

◎第6回:「スピリチュアル嫌いの宗教論」

上野千鶴子×鎌田東二×島薗進

2024年2月11日(日)14:00~16:30

【終了】

◎第1回:「神話がつなぐ現代―物語はなぜ語り続けられるのか」鎌田東二×島薗進 2023年5月21日(日)14:00~16:30

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Shinさんの方は、故青木新門さんの長男の青木新太郎さんと共にお墓参りが出来て、本当によかったです。故人もきっとお喜びでしょう。わたしも、「大重祭り2023」は、お盆の墓参りとも重なる感じであり、また7月の祇園祭とも重なる感じで、わたしにとって欠かせぬ夏の祭り=鎮魂供養の年中行事となりました。

青木新門さんの仕事もそうだと思いますが、大重潤一郎の仕事も、息の長い、寄せては引いて打ち返す波の如く、わたしたちの身心魂を洗う<いのちのいぶき>の仕事だと確信しています。それは、死生観探究そのものです。

わたしの方は、ステージⅣの抗がん剤治療(半年間)がほぼ終わり、8クール目の最終段階となっています。明日、PET-CT検査を受けて、その結果次第で、転移のありようを確認し、これからどうするかを決めますが、これ以上の化学療法を続ける気持ちはありません。もっと自然な「ナチュラルケア」的な処方を選択しようかと考えています。が、結果次第ですので、何とも言えません。

それでは、Shinさん、8月25日に久留米で再会できることをたいへん楽しみにしています。

2023年8月2日 鎌田東二拝

 

それから、追伸で、10月の北海道での「ガン遊詩人・神道ソングライター」のイベントと、大重潤一郎「久高オデッセイ三部作」一挙上映の情報を、以下に貼り付けておきます。

 

2023年10月17日(月)「久高オデッセイ」三部作 大重潤一郎監督作品 北海道初上映 @北海道大学学術交流会館小講堂

地下水脈からにじみ出てくるような歌声であった
祭りは途絶えているが 祭りの命は息づいている
12年間待っていた島の姿を確認した(大重潤一郎)

[上記三行の下に]
伝承と表現としての映像:大重潤一郎監督作品を通して
2023年10月16日(月)10:30-19:30
北海道大学学術交流会館小講堂
入場無料・申込不要
主催:北海道大学文化人類学研究室

伝承と表現としての映像:大重潤一郎監督作品を通して

沖縄・久高島はイザイホーをはじめとする伝統的な祭祀で知られ、琉球弧の島々の中でも重要な位置づけを占めてきました。しかし近年では人口流出などによって、将来世代への伝承が課題となっています。この催しでは、フィールドで経
験される世界をいかに表現するのかという問いを、大重潤一郎監督(1946-2015)の4作品の上映を通して考えます。
大重監督は、自然と霊性と人間との深いつながりを久高島に見出して、映画「久高オデッセイ」三部作として表現しました。また久高島に脈打つ「文化の古層」をモノクローム写真として表現した比嘉康雄(1938-2000)の最後のインタビューを「原郷ニライカナイへ―比嘉康雄の魂」として作品化しています。これ
ら4作品の上映と、大重監督との親交が深い鎌田東二氏(京都大学名誉教授、宗教学)、高橋慈正氏(曹洞宗僧侶)のお話とを織り交ぜながら「伝承と表現とし
ての映像」を議論します。

大重潤一郎監督
1946年鹿児島県生まれ。山本薩夫監督の元助監督として映画界に入り、主に岩波映画で演出を学ぶ。
劇映画「黒神」でデビュー。以降、自然や伝統文化を主なテーマとして活躍。
1995年阪神淡路大震災に遭遇、その惨状を身をもって体験する。そこで 得た経験から、自然に対する畏敬の念が益々深まり、映画作りへの意欲を燃やす。沖縄
の自然をテーマとした「光りの島」を皮切りに、自然の中における人間の 位置
を、常に自然の側から問いかける作品を作り続けている。
写真家・比嘉康雄の遺言の撮影を機に、2002年より、神の島と呼ばれている久高
島を舞台に、記録映画「久高オデッセイ」三部作を制作、2015年完成。同年7月22日享年69歳で永眠

久高オデッセイ三部作ダイジェスト
https://youtu.be/mMN275XPywI ⇒QRコード]

[裏面 右枠]

と き:2023年10月16日(月)10:30-19:30
ところ:北海道大学学術交流会館小講堂(北大正門入って左手すぐ)
https://www.hokudai.ac.jp/bureau/property/s01/access/
入場無料・申込不要
主 催:北海道大学大学院文学研究院・文化人類学研究室
問合先:oda@let.hokudai.ac.jp(小田

プログラム
午前の部「原郷ニライカナイへ―比嘉康雄の魂」上映
10:15 開場
10:30-11:00 イントロとレクチャー(小田博志、鎌田東二)
11:00-12:00「原郷ニライカナイへ―比嘉康雄の魂」(2000, 60分)

午後の部1「久高オデッセイ」全三部上映
13:00-13:30 レクチャー(鎌田東二)
13:30-14:35「久高オデッセイ第一部 結章」(2006, 65分)
14:35-14:50 休憩
14:50-16:06「久高オデッセイ第二部 生章」(2009, 76分)
16:06-16:20 休憩
16:20-17:55「久高オデッセイ第三部 風章」(2015, 95分)

17:55-18:15 休憩

午後の部2トークセッション
18:15-18:30 お話(高橋慈正)
18:30-18:45 久高島インターン経験談(学生)
18:45-19:00 鼎談(鎌田東二、高橋慈正、学生インターン)と質疑応答(司会・小田博志)