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シンとトニーのムーンサルトレター第222信(Shin&Tony)

鎌田東二ことTonyさんへ

 

Tonyさん、早いもので8月ももう終わりですね。今年の8月は2回満月がありました。この満月の名前はハーベストムーン(Harvest Moon)。Harvestの意味は収穫で、北米ではこの時期に農作物の収穫を行うことから、この名が付けられたとか。ただ、秋分に近い満月をハーベストムーンと呼ぶため、10月になることもあるそうですよ。また、とうもろこしの収穫時期にちなんでコーンムーン(Corn Moon)と呼ばれたり、バーリームーン(Barley Moon。Barleyの意味は大麦)などと呼ばれたりもするようです。

Tonyさんと佐久間会長

 

ところで、一昨日の29日には、せっかく小倉にお越しになったにもかかわらず、わたしが出張のために不在で申し訳ございませんでした。どうしても外せない用事が東京でいくつかあったため失礼いたしました。でも、父であるサンレーグループの佐久間進会長がTonyさんとたっぷり話をしたようですね。面談後は、松柏園ホテル内の神社で健康祈願を行っていただいたそうで、心より感謝申し上げます。


健康祈願で龍笛を吹くTonyさん

 

父はTonyさんの國學院大學の先輩にあたりますが、折口信夫の志を受け継ぐ偉大な後輩として、Tonyさんを深く尊敬しております。この日はTonyさんとは会食も御一緒してたくさん会話ができたと、父が大変喜んでおりました。特に、父はサンレーグループの守護神を祀る皇産霊神社の将来についてのご相談ができたことが嬉しかったようです。本当に、ありがとうございました。


久留米市美術館を背景に

 

わたしはといえば、25日に福岡県久留米市でTonyさんにお会いしました。25日の午後から、わたしは、わが社のグリーフケア推進部の市原泰人部長が運転する社用車で久留米へ向かいました。行き先は、久留米市美術館です。ここは、ブリヂストンの創業者である石橋正二郎が自身の出身地である久留米市に寄贈した美術館が前身。1956年の開館。設計は菊竹清訓が担当しま2016年9月末9月末までは石橋美術館の名前で運営さ10月1日1日より運営が久留米市に引き継がれ、改装および収蔵作品の入れ替えを経て、11月に久留米市美術館として再開館しました。門のすぐ近くには、石橋正二郎翁の「世の人々の楽しみと幸福の為に」という言葉が刻まれた石碑がありました。シンプルで素晴らしい言葉ですね!


久留米市美術館の庭園で

 

Tonyさんは、同美術館で8月26日から10月15日まで開催される「顕神の夢―幻視の表現者―村山槐多、関根正二から現代まで」展の監修者です。開催前日の25日の15時から関係者の内覧会があり、わたしと市原部長が招待されたのです。美術館には少し早く到着したので、わたしたちは庭園を散策しました。庭園にはヨーロッパの宮殿にあるような立派な噴水があり、色とりどりの花が咲いていました。さすがは、ブリヂストンタイヤを創業した石橋家が作っただけのことはある!


Tonyさんとソフトクリームを食べる

 

庭園を散策した後は、美術館に隣接するカフェでコーヒーを飲みました。すると、Tonyさんがそこに出現。先生は「ぼくは、ソフトクリームが食べたいなあ!」と言われるので、ソフトクリームを2人前注文して、わたしも一緒に食べました。Tonyさんにお会いするのは、「神道と日本人」をテーマに小倉の松柏園ホテルで対談した3月9日以来です。あのときはガンのステージ4であることを知らされた直後で大変心配いたしましたが、4ヵ月ぶりにお会いした先生はお元気そうでした。


クマの出現話で盛り上がりました

 

食べながら、わたしは比叡山のクマの話を詳しくお聴きしました。8月11日、比叡山にクマが出て、トレイルランナーの女性が怪我をしました。その場面にTonyさんが遭遇したニュースには仰天しました。比叡山にクマが出没したのは20年ぶりとのことですが、Tonyさんは「地球温暖化の影響で、台風のかたちも変わり、生態系にも大きな、そして、微妙な変化が起きています。いっそうの注意と覚悟が必要です」とメールに書かれていました。

 

それにしても、ステージ4のガン患者でありながら、女性の悲鳴を聴いて谷を3つも越えて駆け付けたTonyさんはまさに「超人」ですね。870回を超える東山修験道がTonyさんを本物の「修験者」にしたように思えてなりません。また、「東山修験道870」の動画を拝見しましたが、クマに襲われるという極限の恐怖体験をした女性に対しての優しい語り口は、まさに「ケアの達人」だと感服いたしました。久留米市美術館に隣接したカフェで、ソフトクリームを舐めながら、わたしはTonyさんからクマ出現事件について詳しく教えていただきました。


「顕神の夢」展のチラシ(表)

「顕神の夢」展のチラシ(裏)

 

15時からは「顕神の夢―幻視の表現者―村山槐多、関根正二から現代まで」展の内覧会が開始されました。公式HPには、「人知を超えた『何か』の訪れにより得た霊的な体験を、創作のモチベーションとする表現者たちがいます。その『何か』をとらえようと焦がれ、制作に向かう彼らの心情を、本展では仮に『顕神の夢』と名付けてみました。「何か」に憑かれ媒体となって私たちの世界へと繋ぐ行為、『何か』からの干渉を感知し幻視体験を通して得たヴィジョン、また直接感得した神仏のイメージの図像化などから生み出された作品の数々。本展では5章構成で51名の作品を紹介し、超越的な存在との関わりを基点とする、いわば『霊性の尺度』で見直すことで、その豊かな力の再発見、再認識を試みます」と書かれています。

 

この展覧会は、5章構成になっていますが、第1章「見神者たち」では、出口なお、出口王仁三郎、岡本天明、金井南龍、宮川隆、三輪洸といった作家たちの作品が出品。公式HPには、「得体の知れない、人間を超えた存在。『神』とみなされることもあるその『何か』に見出され、媒介者としての役割を果たす、宗教家、霊媒気質の表現者たちがいます。神懸かりによって『何か』の言葉を自動書記で記した出口なお(1837-1918)、憑依中、わずかな時間で三貴神像を描きあげたという岡本天明(1897-1963)。カンカカリャ(神懸かり)である宮川隆(1955-)の作品には文字とも絵とも判別しがたいものが現れています」と書かれています。


Tonyさんの解説を聴きながら・・・

 

第2章「幻視の画家たち」では、村山槐多、関根正二、河野通勢、萬鐵五郎、古賀春江、高橋忠彌、三輪田俊助、芥川麟太郎、内田あぐり、藤山ハン、庄司朝美、齋藤隆、八島正明、花沢忍といった作家たちの作品が出品。公式HPには、「『何か』が訪れたとき、表現者たちに幻が顕れます。彼らには尋常ならざる感覚があり、幻視、ときに幻聴として意識されます。宗教的なビジョンもまた制作の重要なモチベーションとなります。萬鐵五郎(1885-1927 )の描いた《かなきり声の風景》は、風景画でありながら、まるで生き物がうごめいているようです。画家の内側から聴こえてくる見えざるものを反映しているのかもしれません」と書かれています。


佐々木誠「久延毘古」(2012年)と

 

第3章「内的光を求めて」では、横尾龍彦、藤白尊、上田葉介、黒須信雄、橋本倫、石塚雅子といった作家たちの作品が出品。公式HPには、「網膜に映る光ではなく不可視の光、つまり心に浮かんだ霊的光とも言える内的なものを第三者にも『見える』ようにするために、表現者は色彩に変換し、絵画化します。その作品は、超感覚的な『響き』を伴う色彩で描かれます。石塚雅子(1965-)は奏者としての一面も持ち、それは内的な光と無関係ではなく、見えざる『何か』からもたらされた『響き』がその画面に出現しています。一方、横尾龍彦(1928-2015)の画面には内的な光、つまり内にうごめく情動が龍として顕れています」と書かれています。


真島直子「妖精」(2011年)の前で

 

第4章「神・仏・魔を描く」では、円空、橋本平八、髙島野十郎、藤井達吉、秦テルヲ、長安右衛門、平野杏子、牧島如鳩、佐藤溪、石野守一、真島直子、吉原航平、若林奮、黒川弘毅、佐々木誠、三宅一樹といった作家たちの作品が出品。公式HPには、「直接的に神仏を感得し、絵や彫刻というかたちに留めた表現者たちによって、そのヴィジョンを通した独自の図像が生みだされました。図像には彼らの内面が投影されますが、『何か』は神や仏としてのみならず、魔としても現れました。牧島如鳩(1892-1975)の《魚籃観音像》には魚籃観音を中心に天女やマリア、天使が同画面に描かれており、仏教やキリスト教および神道にも通じていた牧島独自の図像となっています」と書かれています。


岡本太郎作品の前で

 

第5章「越境者たち」では、宮沢賢治、草間彌生、岡本太郎、横尾忠則、馬場まり子、赤木仁、舟越直木、中園孔二、OJUNといった作家たちの作品が出品。公式HPには、「こちら側と向こう側、三次元の世界と異次元の世界。その境を越え、常人とは異なる視点からこの世界を眺める者たち。彼らにはこちら側はなじみがたい場所であり、ときとして幻視や幻聴に襲われます。向こう側と通じることで、バランスを保つのです。中園孔二(1989-2015)は己が留まる世界に違和感を抱き、孤独の中に現れ、迫ってくる幻覚を描いています」とあります。


横尾龍彦作品の前でツーショット

 

「顕神の夢―幻視の表現者―村山槐多、関根正二から現代まで」展の作品がどれも素晴らしかったです。すべてが、そこから異世界にトリップできる「異界の入口」のような妖しさがありました。1点でも妖しいのに、「異界の入口」がこれだけ揃うと、もはやこの展示会場そのものが異界と化していました。


お疲れ様でした! カンパイ!

 

展覧会を鑑賞後は、鎌田先生と久留米市内の「甚六鮨」で会食しました。鮨というより和風創作料理のようで、とても美味しいお店でした。この夜の月は半月でしたが、まるでリアル・ムーンサルトレターのように、わたしたちは大いに語り合いました。特に、小倉に原爆が落ちなかった真相、フランスで楳図かずおの漫画と映画「男はつらいよ」がブームになっているという話で盛り上がりました。ちょうど、この日はTonyさんとの対談本である『神話と儀礼~神道と日本人』(仮題、現代書林)の第1稿データが同書の編集者である内海準二さんから届いていましたので、帰宅後に校正作業に取りかかりました。


全互協創立50周年記念祝賀会で

 

さて、時間は少し逆行しますが、8月21日、東京・六本木のANAインターコンチネンタルホテル東京で一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の創立50周年記念式典が開催されました。サンレーグループの佐久間進会長は全互協の初代会長であり、わたしも副会長を務めました。その全互協が半世紀を迎え、感無量であります。時代の変化はいろいろとありますが、わたしは「冠婚葬祭は不滅である!」と信じています。祝賀会では、東京大学名誉教授の島薗進先生、上智大学グリーフケア研究所の山岡所長にもお会いしました。


「互助会業界将来ビジョン報告会」のようす

 

翌22日には、東京・大塚のホテルベルクラシック東京で、全互協の創立50周年記念行事が行われました。理事会の後、「互助会業界将来ビジョン報告会」が開催。互助会業界の若手経営者たちが苦心して作成した将来ビジョンは多くの示唆に富んでいました。将来ビジョンの結論は、「即ち、『将来に向けて業界が目指すべき姿』は『生まれてから亡くなるまでの一人ひとりの暮らしがよりウェルビーイングなものになるように『健康』『交流』『助け合い』を軸として、個々の会員としての関係を深め、会員同士のつながりを広げることで『心ゆたかな社会=ハートフル・ソサエティ』を実現していくことにある』といえる」とありました。


ハートフル・ソサエティ、ウエルビーイング・・・

 

さらに、「まさに将来ビジョンとして、業界が掲げるべきは『冠婚葬祭産業からウェルビーング推進産業への昇華』であり、その事業活動を通じて、『感動』や『感謝』、『思いやり』に溢れる社会『ハートフル・ソサエティ』の実現に貢献していくことが求められていると考えている。」として、【一人ひとりにウェルビーイングな暮らしを届ける】」とまとめられていました。これを聴いて、わたしは非常に感動しました。互助会業界全体のビジョンに「心ゆたかな社会」「ハートフル・ソサエティ」「ウェルビーイング」が入ったことは画期的です。これは、サンレー思想そのものだからです。わたしには『ハートフル・ソサエティ』『心ゆたかな社会』『ウェルビーイング?』というタイトルの著書もあります。


互助会の将来ビジョンに感動しました!

 

わたしは、「ハートフル」をはじめとして、これまで多くの言葉を世に送り出してきました。それを「矢を放つ」と表現しています。新しい言葉(思想)とは一本の矢であり、それが放たれることによって、人々の心に刺さっていきます。そして、世の中は確実に変わり始めます。言葉には力があるのです。このたび、「リメンバー・フェス」という矢を放ちました。これは「お盆」をアップデートした言葉なのですが、ディズニー&ピクサーの2017年のアニメ映画「リメンバー・フェス」から発想したネーミングです。

 

「リメンバー・ミー」は第90回アカデミー賞において、「長編アニメーション賞」と「主題歌賞」の2冠に輝きました。過去の出来事が原因で、家族ともども音楽を禁止されている少年ミゲル。ある日、先祖が家族に会いにくるという「死者の日」に開催される音楽コンテストに出ることを決めます。伝説的ミュージシャンの霊廟に飾られたギターを手にして出場しますが、それを弾いた瞬間にミゲルは死者の国に迷い込んでしまいます。カラフルな「死者の国」も魅力的でしたし、「死」や「死後」というテーマを極上のエンターテインメントに仕上げた大傑作です。


『愛する人を亡くした人へ』(現代書林)

 

わたしたちは、死者を忘れてはなりません。9月1日からクラインクインする映画「君の忘れ方」の原案である拙著『愛する人を亡くした人へ』(現代書林)で紹介しましたが、アフリカのある部族では、死者を二通りに分ける風習があるそうです。人が死んでも、生前について知る人が生きているうちは、死んだことにはなりません。生き残った者が心の中に呼び起こすことができるからです。しかし、記憶する人が死に絶えてしまったとき、死者は本当の死者になってしまうというのです。誰からも忘れ去られたとき、死者はもう一度死ぬのです。

 

映画「リメンバー・ミー」の中でも、同じメッセージが訴えらえました。死者の国では死んでもその人のことを忘れない限り、その人は死者の国で生き続けられますが、誰からも忘れられてしまって繋がりを失ってしまうと、その人は本当の意味で存在することができなくなってしまうというのです。「死者を忘れないこと」は、死者へのコンパッションのためだけではなく、わたしたち生者のウェルビーイングのためでもあります。もともとお盆に関連した盆踊り、祇園太鼓、花火といったものは死者への「もてなし」でした。でも、生者も楽しむことができます。

 

お盆は故人を供養することの大切さを再確認する大切な年中行事ですが、小さなお葬式、家族葬、直葬、0葬といったように葬儀や供養に重きを置かずに薄葬化の流れが加速している日本にあって、お盆が今後もずっと続いていくかどうかは不安を感じることもあります。特に、Z世代など若い人々がどのように理解しているかもわかりません。そこで、「お盆」をアップデートする必要があります。


「リメンバー・フェス」を提案

 

「リメンバー・フェス」は、なつかしい亡き家族と再会できる祝祭ですが、都会に住んでいる人が故郷に帰省して亡き祖父母や両親と会い、久しぶりに実家の家族と語り合う祝祭でもあります。そう、それは、あの世とこの世の誰もが参加できる祭りなのです。日本には「お盆」、海外には「死者の日」あるいは「ハロウィン」など先祖や亡き人を想い、供養する習慣がありますが、国や人種や宗教や老若男女といった何にもとらわれない共通の言葉として、わたしは「リメンバー・フェス」という言葉を提案いたします。

2023年8月31日 一条真也拝

 

一条真也ことShinさんへ

今回は、どこから、何から書き始めればいいのか、満月の明かりの中で「狂い」(緒方正人さんの言葉)ます。

が、やはり、お父上・佐久間進サンレー会長との懇談・面談のことから書き始めたいとおもいます。お父上は、実は、國學院大學文学部国文学科の学生であった時に、折口信夫の民俗学を学んだでしょうが、そればかりではなく、郷里の千葉県の清澄山の滝に打たれたり、霊感を得たりしていた「宇宙一元神霊教」の開祖=教祖・後藤田久麿師(名前がよく分からないので、お父上にお確かめください)から見込まれて、大切な文書を託されていたのですね。

そのことを、今回の面談で、直接その金色の表紙の経本仕立ての貴重な資料を見せていただき、互助会の立ち上げや冠婚葬祭業やウェルビーイングなどの日本におけるパイオニアとなり、「礼経一致」の「太陽を追う(負う)男」となることを、その教祖さんは見通していたとしか思えません。おそらく、当年88歳(米寿)となられるお父上は、これから「宇宙一元サンレー世界」を統合的に表現され、運営されていくのではないでしょうか? そのような感慨に浸りました。

その資料には、般若心経や易学や祝詞の文言もありました。ここからは、すべてわたしの推測ですが、宇宙一元神霊教のその教義は、「宇宙は一元の神霊」であり、その「神霊」は大日如来ともなる「天道尊」である、というものだと考えます。たぶん、教祖は真言密教・修験系の行者でもあり、千葉県清澄山で滝行などをよくしていた霊能者であったのでしょう。易学もずいぶん応用し、尾崎行雄や鳩山一郎などの政治家にもアドバイスを与えていたようで、祈願者名簿などに、著名な政治家の名前が掲載されています。験力霊能を以て、病気直しや予言やアドバイスをされたのではないでしょうか?その教祖が青年佐久間進の将来を見通し、見込んで、その貴重な資料を託した、と、このように推測しています。

そこで、まずは、お父上に託された資料をShinさんご自身がよく読んで、お父上のお話をよく伺ってみることが一番だと思います。この宗教と教祖については、今ではお父上以上に知っている方はいないと思いますので。それは、ある意味で、消えていった神仏習合系新宗教の再発掘であり、検証‐顕彰でもあります。

いずれにしても、宇宙一元神霊教の教祖が見込んだ通り、佐久間進会長のビジョンは、佐久間庸和という類稀なる父の意志を遺伝子としても発心としても受け継いだ稀有なる息子に受け継がれ、その父の仕事をさらに統合的に継承発展し、この時代の混迷の中に燈明をともし続けるはずだともわたしは確信しました。

わたしの目はフィジカルにはよく物が見えずたいへんな節穴ですが、しかし心の眼・魂の眼は昔からけっこう本質を見通してきたと思っていますので、「日本最強」のこの佐久間親子のことも自分なりに見通しているつもりであります。

 

ところで、Shinさんは、今回、「顕神の夢」展のことを非常に詳細に紹介してくださり、本当に有難く思います。ぜひ大勢の方々に見ていただきたいので、会期中にご知友のみなさまにご案内くだされば幸いです。

この展覧会についての思いは、尽くせぬほど、いろいろとありますが、その核心部分は動画の中で発言しているので、動画を見ていただけると幸いです。

そして、今回のわれわれの「顕神の夢」展に託す思いも、またその後の九州一周の旅の中から問いかけ感じたものも、Shinさん父子の意思やメッセージと深く共通するものであると思っています。8月25日の内覧会の後、Shinさんと「甚六寿司」で美味なる高級寿司をいただきながら話し合ったこと、そして、九州一周をほぼ終えて8月29日の夕方16時から20時近くまで、また30日の朝8時30分から9時30分まで、お父上と懇談したことは、すべてが絶妙につながっていて、驚くほどです。生の「妙」というものを深く感じました。

それゆえ、昨日、小倉から京都に戻る道道、8月25日から30日まで九州一周の旅をしてきたこと、ステージⅣのがん患者にそれができたことを、ほんとうにありがたく、うれしく、たのしく反芻し、感無量でありました。

 

17歳になったばかりの春に自転車で四国横断し、九州別府から熊本~水俣~桜島~青島を経て、宮崎県延岡市の日本通運(今のペリカン便でしょうか?)で着払いで自転車を出発点の徳島県阿南市に送り返し(というのも、知り合いのおじさんに借りた自転車だったから。ママチャリのような、オヤジチャリでした)、それからはヒッチハイクで博多に行き、さらに、門司・下関・徳山まで行って船で四国の多度津に渡り、金毘羅さんにお礼参りして徳島県阿南市に戻ったのでした。その行き帰りに、2度、金毘羅にお参りしました。

今回は、今の自分を形成していく原点を再確認したような旅で、末期の眼でなんだかこの世とおさらばしていくような感覚でした。いくらかなつかしい感じもありましたが、それよりも新発見と再発見や新たな出逢いが多く、懐旧に耽っている暇も余裕もありませんでした。「地上とは思い出ならずや!」(稲垣足穂)ですが、同時に「地上とは出逢いならずや!」ですね。もちろん、その「出逢い」は「別れ」を含みますが。いずれにせよ、人生の総括ができて、たいへんうれしかったし、ありがたかったです。

スケジュールは以下の通りでした。

1,8月25日(金):「顕神の夢」展内覧会に参加した後、佐久間庸和(=一条真也サンレー社長)と会食し、久留米ホテルエスプリに高木貞重愛媛県町立久万美術館館長とともに宿泊。

動画リンク:https://youtu.be/RDXq0rQwSiM

ファイル名:久留米市美術館「顕神の夢」展内覧会 2023年8月25日(会期:8月26日~10月15日)

 

2,8月26日(土):「顕神の夢」展初日オープニング鼎談の後、関係者と会食して、同ホテル泊。

久留米市美術館「顕神の夢」展 オープニング鼎談 2023年8月26日 江尻潔(足利市立美術館学芸次長、企画提案者)・土方明司(川崎市岡本太郎美術館館長・企画提案者)+鎌田東二

動画リンク:

 

3,8月27日(日):新水俣駅で9時43分に水俣病センター・相思社元常務理事の遠藤邦夫さんと会って緒方正人さん宅を訪問後水俣を見学。語り部の吉永理未子さん宅も訪ね、夕方5時30分から6時30分まで相思社・水俣病センターで、3泊4日の研修合宿に来ていた埼玉大学教育学部の学生たち20人+10人ほどの前で「ガン遊詩人・神道ソングライター」としてトーク&ライブを行ない、湯の児海と夕焼け泊。

水俣巡礼 案内人:遠藤邦夫さん(相思社・水俣病センター元常務理事)、出会った人:緒方正人さん(「本願の会」設立発起人・元副代表) 2023年8月27日 ここでの緒方正人さんの「狂い」の話とそこから抜け出た経験談は、第一級の価値のあるスピリチュアル・ライブ・ナラティブだと思います。

動画リンク:

ファイル名:相思社・水俣病センターでのガン遊詩人トーク&ライブ 2023年8月27日 動画リンク:

 

4,8月28日(月)早稲田大学政治経済学部での「比較宗教学」のわが授業に潜り込んできて以降の付き合いで仲人もした藤川潤司君(ミュージシャン)の車で鹿児島に行き、霧島アートの森・霧島東神社と桜島および17歳の春休みに泊めてもらった垂水小学校を見学し、フェリーの中で日本臨床宗教師会の会議、丸亀うどんで夕食を摂りながら、楽園学会の会議に参加し、鹿児島市クインテッサホテル鹿児島天文館泊。

動画リンク:

ファイル名:水俣・霧島・桜島巡礼 2023年8月28日.

5,8月29日(火)7時45分鹿児島駅発特急霧島4号で桜島と錦江湾を見ながら宮崎に行き、そこで特急日豊8号に乗り換えて大分に行き、そこで特急ソニックに乗り換えて、小倉に行き、母校の大先輩である佐久間進サンレー会長と懇談し、小倉ステーションホテル泊。

動画リンク:

ファイル名:桜島から小倉まで 2023年8月29日

6,8月30日(水)小倉から京都に帰り、比叡山に登拝(東山修験道875)

動画リンク:

ファイル名:東山修験道875 2023年8月30日

7,8月31日(木)堤冬樹京都新聞報道部記者とともに比叡山に入り、クマに襲われた女性の被害場所の検証(東山修験道876)

動画リンク:

ファイル名:東山修験道876 2023年8月31日

さて、本日、先ほど、満月の夜20時から22時30分まで、故大重潤一郎監督映画上映会の第7回目を実施しました。今回の上映は「光りの島」でしたが、それが死生観的セルフケアの映画であることの意味と深みがよりいっそう、以前とは異なる深みと味わいでよくよく身にしみてわかりました。このことも、たいへんありがたくもうれしいことでした。

まだまだ、探究と表現はつづくぞ~! 永遠の道行きなり~!

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9月2日には、鎌倉の建長寺で開催される「Zen2.0」に参加します。本年のテーマは、

「Zen2.0」(ぜんにーてんゼロ)~「Be like Water 加速の時代に、水のごとく在る。 ~Souece, Flow, Alignment~」世界最大の禅とマインドフルネスの国際カンファレンス:https://www.zen20.jp/events/zen2-0-zentomaindofurunesunokokusaikanfarensu2023

「Zen2.0(ぜんにーてんゼロ)」とは、禅やマインドフルネスなどの世界観を、日本から世界へひろげるために、日本や海外の一般市民を中心としたボランティアにより運営されている世界最大の禅とマインドフルネスの国際カンファレンスです。

世界のいたる所に顕在化している分断や対立だけでなく、地球温暖化の問題や大手テック企業での大量解雇、AI技術の加速度的な進展など、時代のスピードは加速し、変化の大波が明らかに迫っています。

そのような環境下だからこそ、私たち一人ひとりがしっかりと本来の自分を見つめ、大切なコアの価値観(Source)に繋がり、水源から湧き出る泉が川となって流れるように、そこからのエネルギーで自然な流れ(Flow)が創り出され、私たちのコミュニティ・社会・地球の中でそれぞれのパーパスに繋がったアクションに繋がり(Alignment)、広い海へと循環・浸透してゆく。

今年のZen2.0では、その想いを「Be like Water ~Souece, Flow, Alignment~」という言葉に込めました。ぜひみなさまに、今年のZen2.0へお越しいただき、この世界観を体感していただけますと幸いです。

◯日程・会場 2023年9月2日(土)〜3日(日) 北鎌倉・建長寺&オンライン

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8月31日 鎌田東二拝

PS:このたび、上智大学グリーフケア研究所名誉所長の高木慶子先生(1935年生、当年88歳)が、「一般社団法人 全人力を磨く研究所」(http://www.zenjinryoku.com/)を設立され、その1回目の5回連続講座として、「全人力を磨くとは?」が9月5日の夕方6時30分から8時までオンライン(Zoom)で始まります。申し込み期間は過ぎていますが、全5回中第1回目の9月5日まで申し込みできることになりました。ぜひ多くの方にオンライン参加できるようお知らせくだされば幸いです。

http://www.zenjinryoku.com/

1回目の9月5日には、山岡三治上智大学グリーフケア研究所所長、

2回目の9月19日には、坂口幸弘関西学院大学人間福祉学部教授、

3回目の9月25日には、藤木省三大西歯科医院長、

4回目の10月3日は、鎌田東二、

最終回の5回目の10月10には、平田オリザ芸術文化観光専門職大学院大学学長、

がゲスト対談者となっています。

 

また、10月14日から15日・16日には、北海道で以下の催しがあります。