2016年 date

ムーンサルトレター 2016年12月14日

シンとトニーのムーンサルトレター 第139信

第139信 鎌田東二ことTonyさんへ 今年、最後の満月を東京で見上げています。それにしても、TonyさんのHPが閉鎖されているのには驚きましたよ。12月12日が最終リミットだというのに一向に再開されないのでヒヤヒヤしました。結果、12日の深夜にギリギリ間に合って再開できたわけですが、ともかく良かったですね! 前回のレターを11月14日にお送りしたのですが、その後、いろんな出来事がありました。最も大きな出来事は、11月18日、わがサンレーが創立50周年を迎えたことです。その日の朝から、サンレーグループ発祥の地である松柏園ホテルの顕斎殿で、奉告祈願祭が執……

ムーンサルトレター 2016年11月14日

シンとトニーのムーンサルトレター 第138信

第138信 鎌田東二ことTonyさんへ いま、「月見会」から戻ったところです。北九州市八幡の猪倉の染織工房で開催された「北九州のヤクザな文化人の会」という秘密結社(笑)の月見会です。今夜の月は、1年で最も地球に近づき、満月が大きく見える「スーパームーン」でしたが、八幡の山中でも一瞬だけ拝むことができました。また、染織家の築城則子さんの手料理と美味しいお酒を味わいながら、みなさんとの会話を楽しんできました。ここのところ、曹洞宗、社会福祉協議会、日本赤十字社などでの講演が相次ぎ、また18日のサンレー創立50周年記念式典の準備などで慌ただしい日々を送っていま……

ムーンサルトレター 2016年10月16日

シンとトニーのムーンサルトレター 第137信

第137信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、お元気ですか?今夜は満月ですが、小倉のあいにくの雨です。でも、14日の夜に北九州市八幡西区のサンレーグランドホテルで「隣人祭り・秋の観月会」が盛大に開催されました。恒例の「月への送魂」も行われました。夜空に浮かぶ月をめがけ、故人の魂をレーザー(霊座)光線に乗せて送るという「月と死のセレモニー」です。 わたしたちの肉体とは星々のかけらの仮の宿ではないでしょうか。入ってきた物質は役目を終えていずれ外に出てゆく、いや、宇宙に還っていきます。宇宙から来て宇宙に還るわたしたちは、宇宙の子なのです。そして、夜……

ムーンサルトレター 2016年9月17日

シンとトニーのムーンサルトレター 第136信

第136信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、前回のレターでご紹介した「シン・ゴジラ」は御覧になられましたか?今も大ヒットを続けていますが、その後、日本のアニメの歴史を変えたとまで言われている「君の名は。」が公開され、こちらも大ヒットを記録しています。わたしも公開早々に観ましたが、たいへん素晴らしい傑作でした。新海誠監督は、引退した宮崎駿監督に代わって、今や日本アニメ界を代表する存在となった感があります。「君の名は」は神社が重要な舞台で、「産霊(むすび)」がテーマです。主人公の女の子は巫女であり、もう「100%、Tonyさん向きの作品」ではない……

ムーンサルトレター 2016年8月18日

シンとトニーのムーンサルトレター 第135信

第135信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、お盆はいかがお過ごしでしたか?わたしは、今年はずっと小倉の自宅におりました。18日の朝は、松柏園ホテルの神殿で「秋季例大祭」を行い、その後に「朝粥会」を開きました。おかげさまで、腰痛のほうはだいぶん良くなりました。この1ヵ月間もじつに色々な出来事がありました。 7月27日、ついに宗教学者の島田裕巳さんと対談しました。島田さんとの共著『お葬式を問う』(仮題、三五館)の巻末企画です。わたしは赤坂見附の宿泊先からタクシーで対談会場の六本木ヒルズへ向かったのですが、ぎっくり腰のために腰にコルセットを強く巻……

ムーンサルトレター 2016年7月20日

シンとトニーのムーンサルトレター 第134信

第134信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、今日は久々にお会いできて嬉しかったです。それもTonyさんの新しい職場である上智大学で。7月20日、わたしは上智大学グリーフケア研究所のお招きで、「葬儀」と「グリーフケア」についての連続講義を行わせていただいたのです。 しかし、ここで時計を針を巻き戻して7月6日の話を先にしたいと思います。その日、わたしは横浜でトークショーに出演しました。パシフィコ横浜で開催された「フューネラルビジネスフェア2016」で、仏教界きっての論客で知られる村山博雅老師と「葬送儀礼の力を問う〜葬儀の本質とは」をテーマに対談さ……

ムーンサルトレター 2016年6月20日

シンとトニーのムーンサルトレター 第133信

第133信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、お元気ですか。前回はレターの返信が遅れて心配しました。風邪で体調を崩されていたそうですが、もう大丈夫ですか。この1ヵ月、わたしにはいろいろなことがありました。まずは、作家の青木新門さんとの出会いからお話したいと思います。 6月6日、わたしは富山に入りました。翌7日から、会長を務める全国冠婚葬祭互助会連盟(全互連)の定時総会が富山で開催されるので前日入りしたのです。その夜、JR富山駅前にある「オークスカナルパークホテル富山」で青木氏にお会いしました。氏は、同ホテルを運営する冠婚葬祭互助会であるオークス……

ムーンサルトレター 2016年5月22日

シンとトニーのムーンサルトレター 第132信

第132信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、お元気ですか?Tonyさんとはもう10年以上もこの満月の往復書簡を続けていますが、最近、わたしは他の方とも往復書簡を開始しました。その方は、宗教学者の島田裕巳さんです。「葬儀」をテーマにした共著に掲載する往復書簡で、何通か手紙のやりとりをしてから最後に対談する予定です。『葬式は、要らない』や『0葬』を書かれた島田さんと、『葬式は必要!』や『永遠葬』を書いたわたしが共著を出すということに驚かれる方も多いようですが、たしかにわたしたちは、これまで「宿敵」のように言われてきました。「葬儀」に対する考え方は……

ムーンサルトレター 2016年4月22日

シンとトニーのムーンサルトレター 第131信

第131信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、ご新著『世阿弥』(青土社)をご恵送下さり、ありがとうございました。早速、拝読いたしました。『世直しの思想』(春秋社)と並んで、Tonyさんの集大成的な作品であると思いました。とても面白く、340ページ以上を一晩で一気に読みました。そして、気分が異様にハイになりました。本を読んでトリップする経験は時々ありますが、「身心変容技法の思想」というサブタイトルのこの本そのものが「身心変容」の書なのかもしれませんね。 わたしは「祭り」や「儀式」の発生について関心があるのですが、Tonyさんは同書で次のように述……

ムーンサルトレター 2016年3月23日

シンとトニーのムーンサルトレター 第130信

第130信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、お元気ですか?早いもので、京都大学こころの未来研究センターの教授退職記念講演会・シンポジウムからもう1ヵ月以上が経過しましたね。あのときの懇親会のお土産として頂戴したご高著『世直しの思想』(春秋社)を拝読しました。Tonyさんの最新作である同書は、Tonyさんのこれまでの活動の集大成であり、新たな出発の書でもあると思いました。 Tonyさんは、同書において現代の日本は「大中世」とも言うべき激動と混迷の乱世の時代であると訴えます。では、「大中世」とは何か。Tonyさんは以下のように述べられています。……