2006年 date

ムーンサルトレター 2006年12月3日

シンとトニーのムーンサルトレター 第015信

第15信 鎌田東二ことTonyさま Tonyさん、11月17日は株式会社サンレーの創立40周年記念祝賀会に、はるばる九州までお越し下さり、誠にありがとうございました。また、お祝いの法螺貝まで奏上していただいて重ねて御礼申し上げます。Tonyさんの法螺の音は宇宙まで響きわたるようで、その場の空気が浄化されるようでした。400名近くの参加者の方々も深く感銘を受けたようです。「これからも、世のため人のためになっていただきたい」というTonyさんからのエールの言葉も心に染みました。 サンレーは「SUNRAY(太陽の光)」「産霊」「讃礼」という三つの意味を込めた社名を持つ、冠婚葬祭を業とする会社です……

ムーンサルトレター 2006年11月4日

シンとトニーのムーンサルトレター 第014信

第14信 Tonyこと鎌田東二さま Tonyさんが五木寛之さんと対話された『霊の発見』(平凡社)が大きな話題になっていますね。なんでも、売り切れ書店続出とか。丹波哲郎さんの葬儀以来、「霊」について書かれた最近の本を片っ端から読みましたが、『霊の発見』以外にも実に多くの関係書が出版されていることにまず驚かされます。やはり、スピ系ブームに代表されるように、世間では目に見えない霊的世界への関心が高まっているのでしょうね。 現在のスピ系ブームには何人かのキーマンがいますが、最も有名なのは、スピリチュアルカウンセラーと称する江原啓之氏でしょう。テレビ番組「オーラの泉」にも出演中の彼の本はどれもよく売……

ムーンサルトレター 2006年10月3日

シンとトニーのムーンサルトレター 第013信

第13信 Tonyこと鎌田東二さま Tonyさん、先日は思いもかけず東京でお会いできて嬉しかったです。待ち合わせ場所の渋谷ハチ公前でTonyさんを待っているあいだ、目の焦点が合っていないアブナイ若者たちが、わたしの周囲にたむろしていました。オヤジ狩りにでも遭うのかと身構えていましたが、そのとき、Tonyさんが現れてホッとしました。いつも二人で行っていた「八丈島ゆうき丸」はビルごと消滅していて残念でしたが、東急本店近くのイタリアン・レストランはなかなか美味しかったですね。 さて、わたしが急遽東京に来たのは、翌日、肺炎のため84歳でお亡くなりになられた丹波哲郎さんの葬儀に参列するためでした。……

ムーンサルトレター 2006年9月10日

シンとトニーのムーンサルトレター 第012信

第12信 鎌田東二ことTonyさま Tonyさん、昨日そして今日、大変お疲れさまでした。京都造形芸術大学の皆さんが北九州までお越し下さり、また嬉しからずやという心境です。地域文化演習として、わたしも昨夜は特別講義をさせていただきました。「冠婚葬祭の冒険」という演題を与えられ、日頃から考えている冠婚葬祭の意味および当社のさまざまな実験について語らせていただきました。時間の関係で何だか舌足らずな話になってしまいましたが、今後とも志を高く持ち、冠婚葬祭の「冒険王」とまでいかなくとも「冒険ダン吉」くらいは目指したいです。 <サンレー本社および松柏園ホテルにて(佐久間庸和・鎌田東二・佐藤眞人)> その……

ムーンサルトレター 2006年8月9日

シンとトニーのムーンサルトレター 第011信

第11信 鎌田東二ことTonyさま Tonyさん、前回の戦争についてのレターには心を打たれました。父上が特攻隊におられたこと、母上が呉の軍需工場から広島に原爆が投下された瞬間を目撃されたことなどの衝撃的なお話も含め、わたしの拙いサーブを渾身の力で打ち返してきて下さいました。Tonyさんが生半可な気持ちで神道ソングを歌われたり、平和活動をされているのではないということをあらためて理解いたしました。ありがとうございました。 また8月がやってきました。昨年の8月1日の朝、サンレー本社における総合朝礼において、わたしは「ひめゆりよ知覧ヒロシマ長崎よ手と手あわせて祈る八月」という短歌を詠みまし……

ムーンサルトレター 2006年7月9日

シンとトニーのムーンサルトレター 第010信

第10信 鎌田東二ことTonyさま まったく物騒な世の中ですね。北朝鮮が「テポドン2号」とみられる長距離弾道ミサイルを乱射しました。日本海に7発が着弾しましたが、北朝鮮はミサイル連射の事実を求めたうえに「今後もミサイル実験を継続する」と表明しました。国連を舞台に包囲網を築こうとするアメリカに対して執拗に挑発を繰り返しています。 当然のことながら、誰もが「戦争」を連想し、嫌な予感を抱いています。先日、わたしが韓国の大学で特別講義を行った際、ちょうど50歳以下の男子が月に一度の軍事訓練を行う日で、多くの男子学生たちが迷彩色の軍服に身を包んでいたのが印象的でした。韓国の人々は常に有事を想定してお……

ムーンサルトレター 2006年6月10日

シンとトニーのムーンサルトレター 第009信

第9信 鎌田東二ことTonyさま お元気ですか?先日の「朝日新聞」の書評欄に鎌田先生の新刊『霊的人間』(作品社)が取り上げられていましたね。わたしも一気に読了しましたが、たいへん興味深い本でした。ヘッセ、ブレイク、ゲーテ、本居宣長、上田秋成、平田篤胤、稲垣足穂、イエイツ、ハーン・・・次元をひとつ多く持つ、さまざまな霊的人間たちが次々に数珠の如くつながってゆくさまにコーフンしました!まるで一篇の叙事詩のように流れのある一冊ですね。 特にゲーテと宣長の共通性のくだりに強く惹きつけられました。先生は、「わたしは昔から、ゲーテのことを考えるたびに本居宣長のことを思い、本居宣長のことを考えるたびに……

ムーンサルトレター 2006年5月10日

シンとトニーのムーンサルトレター 第008信

第8信 鎌田東二ことTonyさま 今日は5月10日、わたしの43回目の誕生日です。朝、出社すると、みんなから「おめでとうございます」という声をかけられました。鎌田先生の誕生日は3月20日ですよね。今年は、忘れもしない前日の19日、京都の近藤高弘さんのお宅で三人で義兄弟の契りを交わしました。それからテレビで「功名が辻」と「愛と死を見つめて」を観て、しばらく語らっているうちに、先生が「もう、12時を過ぎたのかな」とつぶやかれました。日付が変更したことを確認すると、「今日は、ぼくの誕生日なんですよ」とおっしゃった。 3月20日という日は、西洋占星術でいう魚座の最後の日であり、この日に生まれた者は……

ムーンサルトレター 2006年4月10日

シンとトニーのムーンサルトレター 第007信

第7信 鎌田東二ことTonyさま 満開の桜も次第に散りはじめていますが、いかがお過ごしですか。鎌田先生は奥様と御一緒に御自宅の近くで花見をされたとのこと。そこで法螺貝は吹かれたのでしょうか。わたしは、先週、二人の娘たちと一緒に東京は上野公園の桜を楽しみました。小倉の自宅の庭にも桜の老木が一本あるので、それを見るたび「もののあはれ」を感じております。 「もののあはれ」については本居宣長をはじめ、多くの言説がなされていますが、最近読んだ中沢新一先生の新著『芸術人類学』にも登場していました。中沢先生は中央大学教授から多摩美術大学教授、そして芸術人類学研究所所長に転進されたのですね。「芸術人類学」……

ムーンサルトレター 2006年3月12日

シンとトニーのムーンサルトレター 第006信

第6信 鎌田東二ことTonyさま また、満月が近づいてきました。鎌田先生は、今度の満月をどこで眺められるのでしょうか。わたしは、本当はタイのバンコックに出張の予定があり、憧れの上座部仏教の国で月見と洒落込むつもりでしたが、このところタイの国情が不安定なため周囲の説得に従って出張を延期しました。まことに残念です。 でも、わたしの心はウキウキし、顔は自然にほころんでいます。なぜかというと、かのスバルの発見者である東京大学名誉教授の天文学者、海野和三郎先生から嬉しいお便りをいただいたからです。そう、NPO法人東京自由大学学長の、あの海野先生です。以前、わたしの2冊の著書『ロマンティック・デス』『……