第137信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、お元気ですか? 今夜は満月ですが、小倉のあいにくの雨です。でも、14日の夜に北九州市八幡西区のサンレーグランドホテルで「隣人祭り・秋の観月会」が盛大に開催されました。恒例の「月への送魂」も行われました。夜空に浮かぶ月をめがけ、故人の魂をレーザー(霊座)光線に乗せて送るという「月と死のセレモニー」です。 わたしたちの肉体とは星々のかけらの仮の宿ではないでしょうか。入ってきた物質は役目を終えていずれ外に出てゆく、いや、宇宙に還ってい […]
第136信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、前回のレターでご紹介した「シン・ゴジラ」は御覧になられましたか? 今も大ヒットを続けていますが、その後、日本のアニメの歴史を変えたとまで言われている「君の名は。」が公開され、こちらも大ヒットを記録しています。わたしも公開早々に観ましたが、たいへん素晴らしい傑作でした。新海誠監督は、引退した宮崎駿監督に代わって、今や日本アニメ界を代表する存在となった感があります。「君の名は」は神社が重要な舞台で、「産霊(むすび)」がテーマです。主人 […]
第135信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、お盆はいかがお過ごしでしたか? わたしは、今年はずっと小倉の自宅におりました。18日の朝は、松柏園ホテルの神殿で「秋季例大祭」を行い、その後に「朝粥会」を開きました。おかげさまで、腰痛のほうはだいぶん良くなりました。この1ヵ月間もじつに色々な出来事がありました。 7月27日、ついに宗教学者の島田裕巳さんと対談しました。島田さんとの共著『お葬式を問う』(仮題、三五館)の巻末企画です。わたしは赤坂見附の宿泊先からタクシーで対談会場の […]
第134信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、今日は久々にお会いできて嬉しかったです。それもTonyさんの新しい職場である上智大学で。7月20日、わたしは上智大学グリーフケア研究所のお招きで、「葬儀」と「グリーフケア」についての連続講義を行わせていただいたのです。 しかし、ここで時計を針を巻き戻して7月6日の話を先にしたいと思います。その日、わたしは横浜でトークショーに出演しました。パシフィコ横浜で開催された「フューネラルビジネスフェア2016」で、仏教界きっての論客で知ら […]
第133信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、お元気ですか。前回はレターの返信が遅れて心配しました。風邪で体調を崩されていたそうですが、もう大丈夫ですか。この1ヵ月、わたしにはいろいろなことがありました。まずは、作家の青木新門さんとの出会いからお話したいと思います。 6月6日、わたしは富山に入りました。翌7日から、会長を務める全国冠婚葬祭互助会連盟(全互連)の定時総会が富山で開催されるので前日入りしたのです。その夜、JR富山駅前にある「オークスカナルパークホテル富山」で青木 […]
第132信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、お元気ですか? Tonyさんとはもう10年以上もこの満月の往復書簡を続けていますが、最近、わたしは他の方とも往復書簡を開始しました。その方は、宗教学者の島田裕巳さんです。「葬儀」をテーマにした共著に掲載する往復書簡で、何通か手紙のやりとりをしてから最後に対談する予定です。『葬式は、要らない』や『0葬』を書かれた島田さんと、『葬式は必要!』や『永遠葬』を書いたわたしが共著を出すということに驚かれる方も多いようですが、たしかにわたした […]
第131信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、ご新著『世阿弥』(青土社)をご恵送下さり、ありがとうございました。早速、拝読いたしました。『世直しの思想』(春秋社)と並んで、Tonyさんの集大成的な作品であると思いました。とても面白く、340ページ以上を一晩で一気に読みました。そして、気分が異様にハイになりました。本を読んでトリップする経験は時々ありますが、「身心変容技法の思想」というサブタイトルのこの本そのものが「身心変容」の書なのかもしれませんね。 わたしは「祭り」や「儀 […]
第130信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、お元気ですか? 早いもので、京都大学こころの未来研究センターの教授退職記念講演会・シンポジウムからもう1ヵ月以上が経過しましたね。あのときの懇親会のお土産として頂戴したご高著『世直しの思想』(春秋社)を拝読しました。Tonyさんの最新作である同書は、Tonyさんのこれまでの活動の集大成であり、新たな出発の書でもあると思いました。 Tonyさんは、同書において現代の日本は「大中世」とも言うべき激動と混迷の乱世の時代であると訴えます […]
第129信 鎌田東二ことTonyさんへ Tonyさん、一昨日は京都でお会いできて嬉しかったです。わたしは京都行きの直前までインドにいました。副座長を務める「アジア冠婚葬祭業国際交流研究会」の海外視察に参加したのですが、現地では聖なるガンジス河をはじめ、サルナート、ブッダガヤ、ラージギルなどの仏教聖地を回りました。今回、ブッダの教えというものを振り返ることができましたが、その一方で、毎日膨大な数の物乞いの人々と接し、偉大なるブッダをしても廃止できなかったカースト制度の根強さを痛感しまし […]
第128信 鎌田東二ことTonyさんへ 数十年に一度という超寒波の到来で、小倉もかなりの雪が降っています。Tonyさん、あけましておめでとうございます。旧年中はお世話になりました。今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。お正月はいかがお過ごしになられましたか? 元旦の朝、わたしは例年通りに北九州の門司にある皇産霊神社を訪れ、初詣をしました。 それから1月4日の北九州から始まった全国各地での新年祝賀式典の社長訓示で、今年が申年であることに言及しました。猿といえば日光東照宮の三猿が有名 […]